異国の地で日本の食に触れる - ポートランド[2]
今回の旅では
ポートランドでも有名なアーバンファームを運営している
the Side Yard farm&Kitchenにお邪魔した
かねてよりずーっと気になっていたこのファームは
日本でもいくつかWEBメディアなどで取り上げられている
ポートランドらしさの象徴になるか、 アーバンファームの時代。 - ACCETORY [アクセトリー]
EAT|ポートランドでアーバンファームを営むシェフが来日 | Web Magazine OPENERS
ポートランドのサイドヤードファームで、農家だけど農業体験してみた。 | Vege8
それでこの日は、
「日本食をテーマにしたイベントがあるからおいでよ!」と
現地の友達が誘ってくれたため、
もう行く前からドキドキわくわくしながら当日を迎えたわけである
いざ、当日。
だいぶ余裕をもって出発したのに
バスの降りるところを間違えて迷いに迷い、
タトゥーとタバコが似合うイカしたお姉さんや
耳の遠い笑顔が最高にかわいいおじいちゃん、
「君の行きたいとこは22番通り沿い。ここは21番通り」と
そっけないけど真っ当な答えをくれたバスの運転手さんなど
約10人くらいに道を聞き、ようやくたどり着く始末。
30分くらい遅れてしまって少し焦ったけど、
会はまだ始まっておらず
みんな片手にドリンクをもって談笑しながらのんびりしていた
アメリカ万歳。
今回のイベントのテーマは
「Japanese Farm Supper」
"Supper" は比較的軽めの夕食、という意味らしい
時間も18時スタートだったので、周囲も明るく、
確かにDinnerというよりはSupperのほうが合ってるのかも。
こんな風に可愛らしい装飾がされてて
食べる前からどんな料理が出てくるのか妄想にふけってみたり。
わくわくわく
早くシェフのステイシーに会ってみたい
どきどきどき
そんなことを考えていたら、19時をまわるころに会が始まった。
一番右が、シェフのステイシー
想像していたよりもとても可愛い声で、素敵なスマイル。
ユーモアを交えた話し方から人の良さが滲み出ていて
直感的に「あ、わたしこの人のこと絶対好きだわ」と勝手に確信
彼女と一緒に並んでいるのは
ステイシーと仲の良い食関係の仲間たちで
左から三番目の背の高い男性、Joshはクラフトビールのブルワリーを運営している
ガレージから始まったブルワリー「コモン・ブルワリー(The Commons Brewery)」 − ポートランド旅行 : HAPPY TRAVELER
ステイシーの料理と合わせて
ビールやワインをペアリングしたりスイーツを担当したり、と
チームで一緒にこうしたイベントをやることが多いらしい
ゲストへのあいさつが終わったあと、しばし歓談タイム。
ちなみにテーブルにはお箸が置かれていたんだけど、
友人(アメリカ人)が
「わたしいつも自分のお箸もってるのにーー!」と悔しそうに言っていた
すごく自然に言ってて、すごくいいなと思った
割り箸を使うとゴミを増やしてしまう。
そんなごく当たり前で、身近なことなのに
最近そういう意識をもてていなかったな、とちょっと反省。
しばし歓談タイムを楽しみ、
もうそろそろかな?と思ったころに料理が運ばれてきた
まず、前菜はこちら
食べられるお花の「エディブルフラワー」があしらわれていて、
ゴールデンビーツなどの野菜の甘みと
ソースの酸味がふわっと効いてて何とも言えない美味しさ!
ビーツは最近日本でも人気になってきているけど
ゴールデンビーツってあまりまだ見かけないので新鮮
続いて、主食の「和風ラーメン」
友人が運営している
Umi Organicの麺をつかった和風ラーメン
豚肉でだしをとってるとのこと(豚骨のようなさっぱり味)で
懐かしいような、新しいような。
お花をラーメンに入れるだなんて、なかなか日本ではお目にかかれない
そういう一種のホームメイド感にほっこりした
主菜はこちら
ここでは「Black Cod(銀ダラ)」と
シンプルなタイトルがついているんだけど
日本だったら
「季節野菜とタラのグリル 〜ラベージソース〜」とか
おしゃれなレストランに行ったら書いてそうな感じ。
このラベージという野菜はこれまで出会ったことが(たぶん)無いが
とても新鮮で、まろやかな酸味と味の深さに驚いた
Google先生によると、
ラベージは、ハーブとして使われるセリ科の植物らしい
友人によると、
ラベージを使った料理を作る人はとても珍しいのだが
ステイシーは好んでよく料理に使っているよとのこと。
こんなに美味しくアレンジできるなんて・・・
さすが素材を作るところから関わっているだけあって
素材の活かし方を熟知しているんだな、と思わざるをえない
全部お皿を舐めたいくらい美味しかった!
(周りの目とモラルを気にしたので、実際は舐めてない)
締めは、たこ焼き風のデザート
なんでも、どこかのビルのルーフトップに設置した蜂の巣を
今日のためにまるごと持ってきたとのこと。
その特製ハチミツをこれでもか!というくらい贅沢に使っていた
見た目は完全にたこ焼きだけど
中はふんわりしたパンケーキみたいな味で、
次から次へとパクパク食べてしまった
ハチミツ好きの私にはパラダイス
うまい。至福。
・・・と、これらが今回のイベントの料理すべてなのだが
「どこが日本食?」という感じかもしれない
(わたしもいまこれを振り返りながらちょっと感じた)
見た目からするとフレンチと言った方がまだしっくりくるかもしれない
(特に前菜と主菜)
でも、たぶん主催者の意図としては
来日した経験や日本食からインスパイアされたことを
彼女のスタイルに取り込みつつアウトプットしたかったんだと思う
だから、日本食というよりは
ステイシー流の「日本の食とは」という解釈に触れた気がする
繊細で、美しく、
彼女の野菜の味が引き出されていて
味にまったく無駄がなかった
その点では日本の食とも通じることがある気がする
うまく纏めた気になったところで、きょうはおしまい。